使徒行伝

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章: 1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28


1:1 テオフィロス様,わたしは最初の書物で,イエスが行ないかつ教え始めたすべての事柄について, 1:2 自分が選んだ使徒たちに聖霊によって命令を与えたのち,迎え上げられた日までのことを書き記しました。 1:3 彼はまた,四十日にわたって彼らに現われて,王国について語り,自分が苦しみを受けたのちに生きていることを,多くの証拠によってそれらの者たちに示しました。 1:4 彼らと共に集まっていた時,彼らにこう命じました。「エルサレムから離れることなく,あなた方がわたしから聞いた,が約束されたものを待っていなさい。 1:5 ヨハネは確かに水でバプテスマを施したが,あなた方は今から幾日もたたないうちに,聖霊によってバプテスマを施されることになるからだ」

1:6 それで彼らは,集まり合ったとき,彼に尋ねた,「よ,あなたは今こそイスラエルに王国を復興されるのですか」。

1:7 彼は彼らに言った,がご自分の権威によって定められた時や時節は,あなた方の知るところではない。 1:8 だが,聖霊があなた方の上に臨むとき,あなた方は力を受けるだろう。あなた方はエルサレム,ユダヤとサマリアの全土,そして地の最も遠い所に至るまで,わたしの証人となるだろう」

1:9 これらのことを言ってから,彼らが見つめている間に引き上げられ,雲に迎えられて見えなくなった。 1:10 彼が上って行く間,彼らは天をじっと見つめていたが,見よ,白い衣を着た二人の人が彼らのそばに立って, 1:11 こう言った。「ガリラヤの人たちよ,なぜ天を見つめて立っているのか。あなた方から迎え上げられたこのイエスは,天に上って行くのをあなた方が見たのと同じ仕方で再び来られるだろう」。

1:12 それから彼らは,オリブトと呼ばれる山からエルサレムに帰った。この山はエルサレムに近く,安息日の道のりのところにある。 1:13 彼らは入って来ると,泊まっていた階上の部屋に上がった。それは,ペトロ,ヨハネ,ヤコブ,アンデレ,フィリポ,トマス,バルトロマイ,マタイ,アルファイオスの子ヤコブ,熱心党のシモン,そしてヤコブの子ユダであった。 1:14 これらの者たちはみな,女たちやイエスの母マリア,およびイエスの兄弟たちと共に,心を合わせて,祈りと嘆願のうちにひたすらとどまっていた。

1:15 そのころ,ペトロが弟子たちの真ん中に立って(その群れの人々はおよそ百二十人ほどであった),こう言った。 1:16 「兄弟たち,イエスを捕らえた者たちを手引きしたユダについては,聖霊がダビデの口によって前もって語られたこの聖句が果たされることが必要でした。 1:17 彼はわたしたちと共に数えられ,この奉仕の務めを割り当てられていたからです。 1:18 ところで,この人は不正に対する報酬で畑を手に入れましたが,まっさかさまに落ちて,その腹は張り裂け,腸はみな飛び出てしまいました。 1:19 このことはエルサレムに住むすべての人に知れ渡り,その畑は彼らの言語で『アケルダマ』,つまり『血の畑』と呼ばれるようになりました。 1:20 詩編の書の中にこう書いてあるのです。

『彼の住まいは荒れ果てるように。
       そこに住む者はいなくなるように』。

また,

『彼の職はほかの者が引き受けるように』。

1:21 ですから,イエスがわたしたちの間を行き来された全期間中, 1:22 ヨハネのバプテスマから始めて,わたしたちから迎え上げられた日に至るまで,わたしたちに伴っていた人々のうち,だれか一人が,わたしたちと共にの復活の証人にならなければなりません」。

1:23 彼らは,バルサバスと呼ばれ,またの名をユストゥスというヨセフと,マッティアスの二人を推薦した。 1:24 祈って言った,「すべての人の心をご存じであるよ,あなたがこの二人の中から選ばれた一人をお示しください。 1:25 ユダが自分の場所に行くために離れてしまった,この奉仕の務めと使徒職に加わるためです」。 1:26 彼らが二人のためにくじを引くと,くじはマッティアスに当たった。そこで,彼は十一人の使徒たちと共に数えられた。

2:1 さて,ペンテコステの日が来た時,みんなは心を合わせて一つの場所にいた。 2:2 突然,激しい風が吹きつけるような音が天から起こり,彼らが座っていた家全体を満たした。 2:3 火のような舌が現われて彼らに配られ,それぞれの上にとどまった。 2:4 みんなは聖霊に満たされ,話す能力をが与えるままに,さまざまな異なる言語で話し始めた。 2:5 さて,エルサレムには,天下のあらゆる国から来た敬けんなユダヤ人たちが住んでいた。 2:6 この音を聞いて群衆が集まって来たが,おのおの自分の言語で話されているのを聞いて,あっけに取られた。 2:7 みんなは驚き,不思議に思って互いに言った,「見よ,話しているこの人たちは皆ガリラヤ人ではないか。 2:8 わたしたちがおのおの自分の生まれ故郷の言語で聞くとは,いったいどういうことだろう。 2:9 わたしたちは,パルティア人,メディア人,エラム人,そして,メソポタミア,ユダヤ,カッパドキア,ポントス,アシア, 2:10 フリュギア,パンフィリア,エジプト,キュレネに近いリビア地方からの者たち,また,ローマからの訪問者であって,ユダヤ人もいれば改宗者もおり, 2:11 クレタ人もいればアラビア人もいるのに,彼らが自分たちの言語での強力な業について話すのを聞いているのだ!」  2:12 みんなは驚き,当惑して互いに言った,「これはどういうことだろう」。 2:13 ほかの者たちはあざけって言った,「彼らは新しいブドウ酒に満たされているのだ」。

2:14 しかし,ペトロが十一人と共に立ち上がり,声を張り上げて彼らに語りかけた。「ユダヤの人たち,またエルサレムに住むすべての人たち,このことを知ってください。そして,わたしの言葉に耳を傾けてください。 2:15 まだ昼間の第三時なのですから,この人たちは,あなた方が思っているように,酒に酔っているのではありません。 2:16 そうではなく,これは預言者ヨエルを通して語られていたことなのです。

2:17は言われる。終わりの日々に,
       わたしはすべての肉なる者の上にわたしのを注ぎ出す。

あなた方の息子たちや娘たちは預言するだろう。
       あなた方の若者たちは幻を見るだろう。
       あなた方の老人たちは夢を見るだろう。

2:18 実に,その日々には,わたしの召使いたちと女召使いたちにも, わたしの霊を注ぎ出す。すると,彼らは預言するだろう。

2:19 わたしは,上では天に不思議な業を,
       下では地にしるしを示す。
       すなわち,血と火と立ちのぼる煙とを。

2:20 の偉大な輝かしい日が来る前に,
       太陽は闇に,
       月は血に変わるだろう。
       2:21 の名を呼び求める者はみな救われるだろう』。

2:22 「イスラエルの人たち,この言葉を聞きなさい! ナザレのイエス,すなわち,あなた方が知っているように,が彼を通してあなた方の間で行なわれた数々の強力な業と不思議な業としるしとによって,神からあなた方に認証されたこの人を, 2:23 のお定めになった考えと予知とによって引き渡されたこの方を,あなた方は不法な者たちの手を借りて,はりつけにして殺しました。 2:24 は彼を死の苦痛から解放して,生き返らされたのです。彼が死に支配されたままでいることはあり得なかったからです。 2:25 ダビデは彼についてこう言っているからです。

『わたしはいつも目の前にを見た。
       わたしが揺り動かされないように,わたしの右にいてくださるからだ。

2:26 それゆえに,わたしの心は楽しみ,わたしの舌は喜んだ。
       さらに,わたしの肉体も希望のうちに住むだろう。

2:27 あなたはわたしの魂をハデスに捨て置かず,
       あなたの聖なる者が腐敗を見ることもお許しにならないからです。

2:28 命の道をわたしに知らせてくださいました。
       あなたのみ前でわたしを喜びに満たしてくださるでしょう』。

2:29 「兄弟たち,族長ダビデについては,彼が死んで葬られ,その墓は今日に至るまでわたしたちのところにあると,率直に言うことができます。 2:30 ですから,彼は預言者であって,が自分に,その腰の実から肉によってキリストを起こして王座に着かせると誓ってくださったことを知っていて, 2:31 キリストの復活について予見し,その魂がハデスに捨て置かれることはなく,その肉体が腐敗を見ることもないと語ったわけです。 2:32 このイエスをは生き返らされました。わたしたちは皆そのことの証人です。 2:33 こうして,この方はの右に上げられ,から約束の聖霊を受けて,それを注ぎ出してくださったのです。今あなた方が見聞きしているのはそれなのです。 2:34 ダビデはもろもろの天に上りませんでしたが,自らこう言っています。

はわたしのに言われた,「わたしの右に座っていなさい,
       2:35 わたしがあなたの敵たちをあなたの足台とするまで」』。

2:36 「ですから,イスラエルの全家ははっきりと知っておきなさい。あなた方がはりつけにしたこのイエスを,ともキリストともされたのです」。

2:37 さて,これを聞くと,人々は心を刺され,ペトロとほかの使徒たちに言った,「兄弟たち,わたしたちはどうしたらよいのでしょうか」。

2:38 ペトロは彼らに言った,「悔い改めなさい。そして,あなた方はそれぞれ,罪の許しのためにイエス・キリストの名においてバプテスマを受けなさい。そうすれば,聖霊を贈り物として受けるでしょう。 2:39 この約束は,わたしたちのなるがそのもとに召される人々,つまり,あなた方と,あなた方の子ら,そして遠くにいるすべての人たちに対するものなのです」。 2:40 彼はほかにも多くの言葉で証言し,彼らに勧めて言った,「この曲がった世代から自分を救いなさい!」

2:41 それで,彼の言葉を喜んで受け入れた人たちはバプテスマを受けた。その日におよそ三千人の魂が加えられた。 2:42 彼らは,使徒たちの教えと,交わりと,パンを裂くことと,祈りとのうちにひたすらとどまっていた。 2:43 恐れがすべての魂に生じ,多くの不思議な業としるしが使徒たちによって行なわれていた。 2:44 信じた者たちは皆一緒にいて,すべての物を共有した。 2:45 自分たちの所有物や持ち物を売り,必要に応じてみんなに分配した。 2:46 日ごとに,心を合わせて神殿にひたすらとどまっており,家ではパンを裂き,喜びとまごころをもって食事を共にし, 2:47 を賛美し,民のすべてから好意を持たれていた。は,救われてゆく人々を日ごとにその集会に加えていった。

3:1 ペトロとヨハネが,第九時の祈りの時間に神殿に上って行った。 3:2 母の胎を出た時から足の不自由な人が運ばれて来た。神殿に入る人たちから施しを求めるために,神殿の「美し」と呼ばれる門のところに毎日置いてもらっていたのである。 3:3 ペトロとヨハネが神殿に入ろうとするのを見て,施しをもらいたいと頼んだ。 3:4 ペトロはヨハネと共に彼をじっと見つめて,「わたしたちを見なさい」と言った。 3:5 彼は,彼らから何かをもらえることを期待して,それに従った。 3:6 しかしペトロは言った,「銀や金はわたしにはないが,わたしが持っているものをあなたにあげよう。ナザレのイエス・キリストの名において,立ち上がって歩きなさい!」  3:7 彼の右手をつかんで起き上がらせた。すぐに彼の足とくるぶしの骨とは強くされた。 3:8 彼は踊り上がって立ち,歩き始めた。歩いたり,跳ねたり,を賛美したりしながら,彼らと共に神殿の中に入って行った。 3:9 民はみな,彼が歩き回ってを賛美しているのを見た。 3:10 これがいつも神殿の「美しの門」のところに座って施しを求めていた者だと気づいた。彼に起きたことを知って,驚きと仰天とに満たされた。 3:11 足が不自由であったが今ではいやされたその人がペトロとヨハネにすがりついていると,民はみな非常に驚いて,「ソロモンの回廊」と呼ばれる所にいた彼らのところに走り寄ってきた。

3:12 これを見て,ペトロは民に答えた。「イスラエルの人たち,なぜこの人のことで驚き怪しむのですか。どうして,わたしたちが自分の力や信心によってこの人を歩かせたかのように,わたしたちを見つめているのですか。 3:13 アブラハム,イサク,ヤコブの,わたしたちの父祖たちのは,ご自分の召使いイエスに栄光を与えられましたが,あなた方は彼を引き渡し,ピラトが釈放しようと決めていたのに,その前で彼を否認しました。 3:14 そして,あの聖なる正しい方を否認して,人殺しの者を許すよう求め, 3:15 命の君主を殺しました。しかし,は彼を死んだ者たちの中から起こされました。わたしたちはそのことの証人です。 3:16 その方の名が,その名に対する信仰によって,あなた方が見知っているこの人を強くしたのです。そうです,彼を通しての信仰が,あなた方すべての前でこの人に完全な健康を与えたのです。

3:17 「さて,兄弟たち,あなた方が無知のためにあのようなことをしたのであり,あなた方の支配者たちも同様だったことを,わたしは知っています。 3:18 しかしは,そのすべての預言者たちの口によって予告されていた事柄,すなわち,キリストが苦しみを受けることを,このようにして果たされたのです。

3:19 「ですから,あなた方の罪を塗り消していただくために,悔い改めて立ち返りなさい。それは,のみ前からさわやかにする時期が来て, 3:20 あなた方のために前もって定められていたキリスト・イエスを遣わしていただけるようにするためです。 3:21 が昔からその聖なる預言者たちの口によって語られたすべてのものの回復の時期まで,天はこの方を受け入れておかなければならないのです。 3:22 実際,モーセは父祖たちにこう言いました。『なるは,あなた方の兄弟たちの中から,わたしのような預言者をあなた方のために起こされるだろう。あなた方は,彼があなた方に語るすべての事柄について,彼に聞き従わなければならない。 3:23 この預言者に聞き従わない魂はすべて,民の中から完全に滅ぼされるだろう』。 3:24 実に,サムエルをはじめとするすべての預言者たちも,後に続いて語った者たちも,やはりこの日々のことを告げました。 3:25 あなた方はその預言者たちの子らであり,がアブラハムに,『あなたの子孫にあって地上のすべての部族が祝福を受けるだろう』と言って,あなた方の父祖たちと結ばれた,あの契約の子らです。 3:26 は,ご自分の召使いイエスを起こして,まずあなた方のもとに遣わされました。それは,彼があなた方をおのおのの悪から立ち返らせて,あなた方を祝福するためなのです」。

4:1 彼らが民に話している間に,祭司たちや神殿の指揮官やサドカイ人たちが近寄って来たが, 4:2 彼らが民を教え,イエスに起こった死んだ者たちからの復活を宣明しているので,いらだっていた。 4:3 彼らに手をかけて,翌日まで拘留した。すでに夕方だったからである。 4:4 しかし,話を聞いた者の多くが信じ,男の数はおよそ五千人になった。

4:5 朝になると,人々の支配者たち,長老たち,律法学者たちがエルサレムに招集された。 4:6 大祭司アンナスが,カイアファス,ヨハネ,アレクサンデル,また大祭司の親族たち全員と共にそこにいた。 4:7 二人を自分たちの真ん中に立たせて尋ねた,「あなた方は何の権限によって,またどういう名によってこんなことをしたのか」。

4:8 その時,ペトロは聖霊に満たされて彼らに言った,「民の支配者またイスラエルの長老の皆さん, 4:9 わたしたちが今日,足の不自由な人に対する善い行ないと,何によってこの人がいやされたのかということのために取り調べを受けているのであれば, 4:10 あなた方全員もイスラエルの民すべても,このことを知ってください。あなた方がはりつけにし,が死んだ者たちの中から起こされたナザレのイエス・キリストの名において,そうです,この方によってこの人は皆さんの前に立っているのです。 4:11 この方こそ,『あなた方建てる者たちによって取るに足りないものとみなされたが,隅の親石になった石』なのです。 4:12 ほかのだれにも救いはありません。天下には,人々の間に与えられ,わたしたちがそれによって救われるべき名は,ほかにないからです!」

4:13 さて,ペトロとヨハネの大胆な態度を見,しかもそれが教養のない無学な人であることを知って,彼らは驚き怪しんだ。彼らは,二人がかつてイエスと共にいたことに気づいた。 4:14 いやされた人が彼らと共に立っているのを見ると,何も言い返せなかった。 4:15 そこで,二人に議会の外に出るよう命じて,互いに協議して 4:16 言った,「我々はあの者たちをどうすればよいだろうか。彼らによって目覚ましい奇跡が,エルサレムに住むすべての人にはっきりと見える仕方でなされたのは確かであって,我々はそれを否定できないからだ。 4:17 だが,これ以上このことが民の間に広まることのないよう,今後はこの名においてだれにも語ってはならないと,彼らを脅しつけておくことにしよう」。 4:18 二人を呼び入れて,イエスの名においては一切語ったり教えたりしないようにと命じた。

4:19 しかしペトロとヨハネは彼らに答えた,「よりもあなた方に聞き従うほうが,のみ前において正しいことなのかどうか,皆さん自身で判断してください。 4:20 わたしたちとしては,自分たちが見聞きした事柄について告げるのをやめるわけにはゆきません」。

4:21 彼らは,二人をさらに脅しつけた上で釈放した。二人を罰する方法が見つからなかったからであり,民のためでもあった。起きたことのために,みんながの栄光をたたえていたからである。 4:22 このいやしの奇跡が行なわれた人は,四十歳を過ぎていたのである。

4:23 二人は,釈放されると自分たちの仲間のところに来て,祭司長たちや長老たちが自分たちに言ったことをすべて報告した。 4:24 彼らはこれを聞くと,心を合わせてに声を上げ,こう言った。「よ,あなたは,天と地と海とそれらの中にあるすべてのものを造られた方であり, 4:25 ご自分の召使いダビデの口によってこう言われた方です。

『なぜ諸国民は憤激し,
       もろもろの民はむなしいことを企てるのか。

4:26 地の王たちは立ち構え,
       支配者たちは共に集まって,
       に逆らい,そのキリストに逆らった』。

4:27 まさしく,この都で,ヘロデとポンティウス・ピラトは,あなたの聖なる召使いイエスに逆らって,異邦人たちやイスラエルの民と共に集まり, 4:28 あなたのみ手とお考えとによって,起こることがあらかじめ定められていたことを行なったのです。 4:29 よ,今,彼らの脅しをご覧になり,あなたの召使いたちがあらん限りの大胆さをもってあなたの言葉を語ることができるようにしてください。 4:30 み手を伸ばしていやしを行なわせ,あなたの聖なる召使いイエスの名によって,しるしや不思議な業を行なわせてください」。

4:31 祈り終えると,彼らの集まっていた場所が揺れ動いた。みんなは聖霊に満たされて,大胆さをもっての言葉を語った。 4:32 信じた者たちの集団は,心と魂が一つであった。彼らのうちのだれも,自分の所有物を自分のものだと主張することはなく,すべての物を共有していた。 4:33 使徒たちは大きな力をもって,イエスの復活について人々に証言した。大きな恵みが彼らすべての上にあった。 4:34 彼らの中には,欠乏している者は一人もいなかったのである。というのは,土地や家を持っている者はみな,それらを売り,売れたものの代金を持って来て, 4:35 使徒たちの足もとに置き,それらは必要に応じてひとりひとりに分配されたからである。 4:36 ヨセは,使徒たちからバルナバという異名を与えられていた,キュプロスの生まれのレビ人であったが(この名は,訳せば,「励ましの子」という意味である), 4:37 畑を持っていたのでそれを売り,その代金を持って来て使徒たちの足もとに置いた。

5:1 一方,アナニアという名の人が,その妻サフィラと共に資産を売り, 5:2 代金の一部を隠しておき,それについては妻も気づいていたのだが,一部分だけを持って来て使徒たちの足もとに置いた。 5:3 しかしペトロは言った,「アナニアよ,どうしてサタンがあなたの心を満たして,聖霊を欺かせ,土地の代金の一部を隠しておかせたのか。 5:4 売らないでおけば,それはあなたのものだったのではないか。売ってしまっても,それはあなたの自由になったのではないか。どうしてこんなことを心の中で企てたのか。あなたは人ではなく,を欺いたのだ」。

5:5 アンナスはこれらの言葉を聞くと,倒れて死んだ。これらのことを聞いたすべての者の上に大きな恐れが臨んだ。 5:6 若者たちが立って彼を包み,運び出して葬った。 5:7 三時間ほどたってから,彼の妻が,起きたことを知らずに入って来た。 5:8 ペトロは彼女に答えた,「わたしに告げなさい。あなた方は土地をこれだけの値段で売ったのか」。

彼女は言った,「そうです,それだけの値段です」。

5:9 そこでペトロは彼女に尋ねた,「どうしてあなた方は示し合わせてを試みたのか。見よ,あなたの夫を葬った人たちの足が戸口のところにあり,彼らはあなたを運び出すだろう」。

5:10 彼女はすぐに彼の足もとに倒れて死んだ。若者たちは入って来て,彼女が死んでいるのを見つけた。そこで彼女を運び出して,その夫のそばに葬った。 5:11 集会全体およびこれらのことを聞いたすべての者の上に大きな恐れが臨んだ。 5:12 使徒たちの手によって,多くのしるしや不思議な業が民の間で行なわれた。みんなは心を合わせてソロモンの回廊にいた。 5:13 ほかの者たちはだれも彼らに加わる勇気はなかったが,民は彼らを尊敬していた。 5:14 信じる者たち,すなわち大勢の男女がのもとに加えられていった。 5:15 人々は病気の者たちを大通りに運び出し,寝台や寝床の上に横たえて,ペトロが通るときに,せめて彼の影がそのうちのだれかにかかるようにした。 5:16 エルサレムの周囲の町々からも群衆が集まって来て,病気の者たちや汚れた霊に苦しめられている者たちを連れて来たが,彼らは皆いやされた。

5:17 しかし,大祭司および共にいた者たち全員(すなわちサドカイ人の党派)は立ち上がり,ねたみに満たされて, 5:18 使徒たちに手をかけ,彼らを公共の留置場に入れた。 5:19 ところが,のみ使いが夜にろうやの戸を開け,彼らを連れ出して言った, 5:20 「行きなさい。そして,神殿で立ち,この命の言葉をすべて民に語りなさい」。

5:21 彼らはこれを聞くと,夜明けごろ神殿に入って教え始めた。一方,大祭司および共にいた者たちがやって来て,最高法院,またイスラエルの子らの長老会議全体を招集し,彼らを連れて来させるためにろうやに人を遣わした。 5:22 しかし,出かけて行った役人たちは,ろうやの中に彼らがいなかったので,戻って来て報告した。 5:23 「わたしたちは,ろうやが閉まっていて,かぎがかけられており,それぞれの戸口の前には番人が立っているのを見ました。ところが,開けてみると,中にはだれもいなかったのです!」

5:24 そこで,大祭司,神殿の指揮官,および祭司長たちは,これらの言葉を聞いて,これはいったいどんなことになるのかと,彼らのことで途方に暮れていた。 5:25 ある人が来て,みんなに告げた,「ご覧なさい,あなた方がろうやに入れた人たちは神殿にいて,立って民を教えています」。 5:26 それで指揮官は役人たちと一緒に出て行って,彼らを連れて来たが,手荒なことはしなかった。民に石打ちにされるのを恐れていたからである。

5:27 彼らを連れて来て,最高法院の前に立たせた。大祭司が彼らを尋問して 5:28 言った,「我々は,この名において教えないようにと,お前たちに厳しく命じておいたではないか。見よ,お前たちはエルサレムをお前たちの教えで満たしてしまい,しかも,あの男の血を我々に負わせようと企んでいる」。

5:29 それに対して,ペトロと使徒たちは答えた,「わたしたちは,人間よりに従わなければなりません。 5:30 わたしたちの父祖たちのは,あなた方が木に掛けて殺したイエスを生き返らされました。 5:31 はこの方を,イスラエルに悔い改めと罪の許しとを与えるために,君主また救い主としてご自分の右に高められました。 5:32 わたしたちは,これらの事に関してこの方の証人です。がご自分に従う人たちに与えられた聖霊もまたそうです」。

5:33 さて,これを聞くと,人々は心を刺され,彼らを殺そうと決心した。 5:34 しかし,ガマリエルという名のファリサイ人で,民のすべてから尊敬されていた律法の教師が,最高法院の中で立ち上がり,使徒たちをしばらく外に出すよう命じた。 5:35 人々に言った,「イスラエルの皆さん,あの者たちについては,自分が何をしようとしているのかに注意しなさい。 5:36 というのは,以前にテウダスが立ち上がり,自分を何者かのように見せかけて,多数の男たち,およそ四千人が仲間に加わりましたが,彼は殺され,彼に従った者たちもみな散らされて,失敗に終わったからです。 5:37 その男の後で,ガリラヤのユダが登録のころに立ち上がり,かなりの民を離反させて自分の側に付けましたが,彼も滅び,彼に従っていた者たちもみなほうぼうに追い散らされたのです。 5:38 それで今,あなた方に告げますが,あの者たちから手を引き,彼らをそのままにしておきなさい。この企てや業が人から出たものであれば,それは覆されるからです。 5:39 しかし,もしもから出たものであれば,あなた方はそれを覆すことはできないばかりか,に対して闘うことになってしまうかも知れません!」

5:40 彼らは彼に同意した。使徒たちを呼び入れて,むち打ち,イエスの名において語らないよう命じてから,釈放した。 5:41 それで彼らは,イエスの名のために辱めを受けるに値する者とされたことを喜びつつ,最高法院の面前から立ち去った。

5:42 毎日,神殿や家で,教えたり,イエスすなわちキリストについて宣教したりし,決してやめることはなかった。

6:1 そのころ,弟子たちの数が殖えていた時,ヘレニストたちからヘブライ人たちに対して苦情が起こった。彼らのやもめたちが日々の援助においてないがしろにされていたからであった。 6:2 十二人は弟子たちの集団を呼び集めてこう言った。「わたしたちがの言葉を放っておいて,食卓のために仕えるのはふさわしくありません。 6:3 ですから,兄弟たち,あなた方の中から,聖霊と知恵とに満ちた評判の良い人を七人選び出しなさい。わたしたちがこの仕事の上に任命するためです。 6:4 わたしたちのほうは,祈りとみ言葉の奉仕とにひたすらとどまることにします」。

6:5 これらの言葉は全員の賛成を得た。彼らは,信仰と聖霊とに満ちた人ステファノ,またフィリポ,プロコルス,ニカノル,ティモン,パルメナ,アンティオキアの改宗者ニコラウスを選び出して, 6:6 使徒たちの前に立たせた。使徒たちは祈って彼らの上に手を置いた。 6:7 の言葉は増し加わってゆき,弟子たちの数もエルサレムにおいて非常に殖えていった。大勢の祭司たちがこの信仰に従っていた。

6:8 ステファノは信仰と力に満ち,民の間ですばらしい不思議な業やしるしを行なっていた。 6:9 しかし,「リベルティン」と呼ばれる会堂に属する人々,およびキュレネ人,アレクサンドリア人,またキリキアやアシア出身の人々のうちのある者たちが立ち上がり,ステファノと議論した。 6:10 彼らは,彼に語らせている知恵とには対抗できなかった。 6:11 そこで,ひそかに人々をそそのかして,「わたしたちは,彼がモーセとに対して冒とくの言葉を吐くのを聞いた」と言わせた。 6:12 民や長老たちや律法学者たちを扇動し,彼を襲って捕らえ,最高法院に引いて行き, 6:13 偽りの証人たちを立てて言わせた,「この男は,この聖なる場所と律法に対して冒とくの言葉を吐いて,どうしてもやめません。 6:14 というのも,わたしたちは彼が,あのナザレのイエスはこの場所を壊し,モーセがわたしたちに伝えた慣習を変えるだろう,と言うのを聞いたのです」。 6:15 最高法院に座っていた者たちはみな彼を見つめたが,その顔はみ使いの顔のように見えた。

7:1 大祭司が言った,「これらのことはそのとおりなのか」。

7:2 彼は言った,「兄弟たち,また父たちよ,聞いてください。わたしたちの父祖アブラハムがハランに住む前,まだメソポタミアにいた時に,栄光のが彼に現われて, 7:3 こう言われました。『あなたの土地,またあなたの親族から出て,わたしがあなたに示す土地に行きなさい』。 7:4 それで彼はカルデア人の土地から出て,ハランに住みました。彼の父が死んだのち,はそこから,あなた方が今住んでいるこの土地へ,彼を移されました。 7:5 ここでは何の相続財産も,そうです,足の踏み場となるほどのものさえもお与えになりませんでした。ここを所有物として彼に,また彼の後でその子孫に与えると約束されましたが,その時には彼にはまだ子供がいなかったのです。 7:6 はこのように語られました。彼の子孫は見知らぬ土地で異国人として住み,四百年のあいだ奴隷にされ,虐待されるだろう,と。 7:7 『彼らを奴隷にする民族を,わたしは裁くだろう』と神は言われました。『そしてそののち,彼らは出て来て,この場所でわたしに仕えるだろう』。 7:8 は彼に割礼の契約を与えられました。こうして,アブラハムはイサクの父となり,八日目に彼に割礼を施しました。イサクはヤコブの父となり,ヤコブは十二人の族長たちの父となりました。

7:9 「この族長たちは,ヨセフに対するねたみに動かされ,彼をエジプトに売りました。は彼と共におられ, 7:10 そのあらゆる苦難から彼を救い出し,エジプトの王ファラオの前で彼に好意と知恵を与えられました。ファラオは彼に,エジプトと王の家全体を治めさせたのです。 7:11 さて,エジプトとカナンの全土にききんが起こり,大きな苦難が臨みました。わたしたちの父祖たちは食物を見つけることができなくなりました。 7:12 しかし,ヤコブはエジプトに穀物があると聞いて,わたしたちの父祖たちを最初に遣わしました。 7:13 二度目の時,ヨセフのことがその兄弟たちに知らされ,ヨセフの一族のことがファラオに明らかにされました。 7:14 ヨセフは人を遣わして,その父ヤコブ,また親族全体,すなわち七十五人の魂を呼び寄せました。 7:15 ヤコブはエジプトに下って行き,やがて彼自身もわたしたちの父祖たちも死にました。 7:16 そして彼らはシェケムに持ち帰られ,アブラハムが銀を支払ってシェケムのハモルの子らから買っておいた墓に横たえられました。

7:17 「一方,がアブラハムに誓われた約束の時が近づくにつれ,民はエジプトで殖え広がってゆき, 7:18 ついにヨセフのことを知らない別の王が現われました。 7:19 この王はわたしたちの同族に対して悪巧みをし,わたしたちの父祖たちを虐げ,無理やりにその赤子たちを捨てさせ,生かしておけないようにしました。 7:20 そうした時にモーセが生まれましたが,非常に美しい子でした。彼は三か月の間,自分の父の家で養われました。 7:21 捨てられた時,ファラオの娘が彼を拾い上げ,彼を自分の子として育てました。 7:22 モーセはエジプト人のあらゆる知恵を教え込まれました。彼は言葉にも業にも強力な者でした。 7:23 しかし,四十歳になった時,自分の兄弟たち,すなわちイスラエルの子らのもとを訪ねようという気持ちがその心に起こりました。 7:24 彼らのうちの一人が不当に苦しめられているのを見て,その人をかばい,エジプト人を打ち殺して,虐げられていたその人のためにあだを討ちました。 7:25 自分の手によってが兄弟たちを救出しようとしておられることを,彼らが理解してくれるものと思っていたのですが,彼らは理解しませんでした。

7:26 「次の日,彼はけんかをしている人たちのところに現われて,彼らを仲直りさせようとして言いました,『君たちは兄弟同士ではないか。なぜ互いに傷つけ合うのか』。 7:27 しかし,隣人を傷つけていた者が彼を押しのけて言いました,『だれがお前を支配者や裁判官として我々の上に立てたのか。 7:28 昨日あのエジプト人を殺したように,わたしを殺そうと思っているのか』。 7:29 この言葉を聞いてモーセは逃げ,ミディアンの地で居留者となり,二人の子の父となりました。

7:30 「四十年が満ちた時,シナイ山の荒野において,燃える茂みの炎の中で,のみ使いが彼に現われました。 7:31 これを見て,モーセはその光景を不思議に思いました。よく見ようとして近づくと,の声が彼に臨みました。 7:32 『わたしはあなたの父祖たちの,すなわち,アブラハムの,イサクの,ヤコブのだ』。モーセはおののいて,もはや見ようとはしませんでした。 7:33 は彼に言われました,『あなたの足のサンダルを脱ぎなさい。あなたが立っている場所は聖なる地なのだ。 7:34 わたしは,エジプトにいるわたしの民の苦難を確かに目にし,彼らのうめきを聞いた。それで,彼らを救い出すために下って来たのだ。さあ,行きなさい。わたしはあなたをエジプトに遣わそう』。

7:35 「このモーセ,すなわち,『だれがお前を支配者や裁判官としたのか』と言って彼らが拒んだ人を,は,茂みの中で彼に現われたみ使いの手によって,支配者また救出者として遣わされたのです。 7:36 この人が,エジプトにおいても,紅海においても,また荒野での四十年間においても,不思議な業としるしを行ないながら,彼らを導き出したのです。 7:37 これこそ,イスラエルの子らに,『わたしたちのなるは,わたしを起こされたように,あなた方の兄弟たちの中からあなた方のために一人の預言者を起こされるだろう*』と言った,あのモーセなのです。 7:38 これこそ,荒野での集会において,シナイ山で彼に語りかけたみ使いやわたしたちの父祖たちと共にいて,生ける託宣を受け,それをわたしたちに伝えた人なのです。 7:39 わたしたちの父祖たちは彼に対して従順ではなく,かえって彼をはねのけ,心の中でエジプトに引き返し, 7:40 アロンにこう言いました。『わたしたちの前を行く神々を造ってください。わたしたちをエジプトの地から導き出したあのモーセについては,彼がどうなったか分からないからです』。 7:41 彼らはそのころに子牛を造り,その偶像に犠牲をささげ,自分たちの手の業のうちで喜びました。 7:42 一方,は背を向け,彼らが天の軍勢に仕えるままにされました。預言者たちの書にこう書かれているとおりです。

『イスラエルの家よ,あなた方は荒野にいた四十年の間に,
       ほふられた獣と犠牲とをわたしにささげたことがあったか。

7:43 あなた方が担ぎ上げたのは,モロクの幕屋,
       あなた方の神レファンの星,

崇拝するために自分で造った像だった。
       わたしはあなた方をバビロンのかなたに運び去るだろう』。

7:44 「わたしたちの父祖たちには,荒野に証明の幕屋がありました。それは,モーセに語った方が,彼の見たままの形に従って造るようにと命じられたとおりのものでした。 7:45 わたしたちの父祖たちもこれを受け継いで,がわたしたちの父祖たちの面前から追い払われた諸国民の所有地に入る時,ヨシュアと共にそれを持ち込み,ダビデの日々に及びました。 7:46 ダビデはのみ前で好意を受け,ヤコブののために住まいを設けたいと願いました。 7:47 しかし,ソロモンがのために家を建てました。 7:48 ですが,いと高き方は手で造った神殿の中には住まわれません。預言者が言っているとおりです。

7:49 『天はわたしの王座,
       地はわたしの足台。

あなた方はわたしのためにどんな家を建てるのか』と,主は言われる。
       『あるいは,わたしの休む場所とはどこか。

7:50 これらのすべてのものは,わたしの手が造ったものではないか』。

7:51 「強情で,心にも耳にも割礼を受けていない人たちよ。あなた方はいつも聖霊に抵抗しています! あなた方の父祖たちが行なったとおりに,あなた方も行なっているのです。 7:52 預言者たちの中で,あなた方の父祖たちが迫害しなかった人がいるでしょうか。彼らは,義なる方の到来を予告した人たちを殺し,あなた方は今や,その方を裏切る者,また殺す者となりました。 7:53 あなた方は,み使いたちの定めた律法を受けたのに,それを守らなかったのです!」

7:54 さて,これを聞くと,人々は心を刺され,彼に向かって歯ぎしりをした。 7:55 しかし,彼は聖霊に満たされ,天をじっと見つめ,の栄光と,の右に立っているイエスを見て, 7:56 こう言った,「ご覧なさい,わたしには,天が開けて,の右に立っておられるのが見えます!」

7:57 すると,人々は大声で叫んで,耳をふさぎ,彼に向かっていっせいに突進した。 7:58 彼を町の外に投げ出して,石打ちにした。証人たちは,自分の外衣をサウロという名の若者の足もとに置いた。 7:59 彼らがステファノを石打ちにしている間,彼は叫んで言った,「イエスよ,わたしのをお受けください!」  7:60 ひざまずいて,大声で叫んだ,「よ,この罪を彼らに負わせないでください!」 こう言ってから,眠りについた。

8:1 サウロは彼の死刑に同意していた。その日,エルサレムにあった集会に対して激しい迫害が起こった。使徒たちのほかは皆,ユダヤとサマリアの地方全域に散らされていった。 8:2 敬けんな人々はステファノを葬り,彼のために大いに嘆いた。 8:3 一方,サウロは集会を荒らそうとして,すべての家に押し入り,男も女も引きずり出してはろうやに引き渡した。 8:4 それで,各地に散らされた人たちは,み言葉を宣教しながら巡回した。 8:5 フィリポはサマリアの町に下って行き,人々にキリストを宣明した。 8:6 群衆は,フィリポが行なったしるしを見聞きすると,彼の語る事柄に心を合わせて聞き従った。 8:7 汚れた霊が取り付いていた多くの者から,それらが出て来たからである。それらは大声で叫びながら出て来た。体がまひした人や足の不自由な人が大勢いやされた。 8:8 この町には大きな喜びが起こった。

8:9 ところで,そこにはある人がいたが,名をシモンといい,その町で以前から魔術を行なってサマリアの人々を驚かせ,自分を何か偉い者のように見せかけていた。 8:10 最も小さな者から最も大きな者に至るまで,みんなが彼に聞き従い,「この人はの偉大な力だ」と言っていた。 8:11 人々が彼に聞き従ったのは,彼が長い間,その魔術によって人々を驚かせてきたためであった。 8:12 ところが,人々は,王国とイエス・キリストの名についての良いたよりを宣教するフィリポを信じた時,男も女もバプテスマを受けた。 8:13 シモン自身もバプテスマを受けた。彼はバプテスマを受けると,いつもフィリポに伴っていた。しるしや大きな奇跡が起きるのを見て,驚いていた。

8:14 さて,エルサレムにいた使徒たちは,サマリアがの言葉を受け入れたと聞くと,ペトロとヨハネを彼らのもとに遣わした。 8:15 二人は下って行き,彼らが聖霊を受けるようにと彼らのために祈った。 8:16 それがまだ彼らの中のだれにも下っていなかったからである。彼らは,ただキリスト・イエスの名においてバプテスマを受けていただけであった。 8:17 それで,二人が彼らの上に手を置くと,彼らは聖霊を受けた。 8:18 その時,シモンは,使徒たちが手を置くことによって聖霊が与えられるのを見ると,二人にお金を差し出して 8:19 言った,「わたしにもこの力を下さって,だれでもわたしが手を置く人が聖霊を受けられるようにしてください」。 8:20 しかしペトロは彼に言った,「あなたの銀はあなたと共に滅びてしまうがよい。あなたはの贈り物をお金で得られると考えたからだ!  8:21 あなたはこの事において受け分も分け前も持っていない。あなたの心がの前にまっすぐでないからだ。 8:22 だから,この悪事を悔い改め,に請い求めなさい。そうすれば,あなたの心の思いが許されることになるかも知れない。 8:23 あなたが苦い胆汁と不法の束縛との中にいるのが,わたしには見えるからだ」。

8:24 シモンは答えた,「皆さん,わたしのためにに祈ってください。あなた方の言われたことが何一つわたしに起こらないようにするためです」。

8:25 このようにして,二人は証言しての言葉を語ってから,エルサレムに引き返し,サマリア人の多くの村に福音を宣教した。 8:26 一方,のみ使いがフィリポに語りかけて,こう言った。「立って,南の方へ行き,エルサレムからガザに下る道に出なさい。そこは砂漠の道だ」。

8:27 彼は立って出かけて行った。すると見よ,一人のエチオピア人がいた。エチオピア人の女王カンダケのもとで大きな権力を持つ宦官かんがんで,彼女の全財宝を管理していたが,礼拝のためにエルサレムに来ていた。 8:28 その帰りに,自分の戦車の中に座り,預言者イザヤを朗読していた。

8:29 がフィリポに言った,「近寄って,あの戦車と一緒に行きなさい」。

8:30 フィリポは走り寄り,彼が預言者イザヤを朗読しているのを聞いて,こう言った。「読んでいることが分かりますか」。

8:31 彼は言った,「だれかが説明してくれなければ,どうして分かるでしょうか」。そして,上がって来て自分と一緒に座ってくれるよう,フィリポに頼んだ。 8:32 ところで,彼が朗読していた聖書の箇所は,次のとおりであった。

「彼は羊のようにほふり場に引かれて行った。
       毛を刈る者の前で黙っている子羊のように,
       その口を開かない。

8:33 辱めを受け,その裁きは取り去られた。
       だれがその子孫のことを語るだろうか。
       その命は地から取り去られるからだ」。

8:34 宦官かんがんはフィリポに答えた,「この預言者はだれについて語っているのでしょうか。自分自身についてですか。それともだれかほかの人についてですか」。

8:35 フィリポは口を開き,この聖句から始めて,彼にイエスのことを宣教した。 8:36 彼らが進んで行くと,水のある所に来た。そこで宦官かんがんは言った,「ご覧ください,ここに水があります。わたしがバプテスマを受けるのに何の妨げがあるでしょうか」。

8:37 * 8:38 彼は戦車に止まるよう命じた。そして,フィリポと宦官かんがんは二人とも水の中に下りて行き,フィリポは彼にバプテスマを施した。

8:39 二人が水から上がると,がフィリポを連れ去ったので,宦官かんがんはもはや彼を見なかったが,喜びながら自分の道を進んで行った。 8:40 一方,フィリポはアゾトスに現われた。すべての町々を通り抜けながら,福音を宣教し,ついにカエサレアに着いた。

9:1 さてサウロは,の弟子たちに対する脅迫と虐殺の息をなおもはずませながら,大祭司のもとに行って, 9:2 ダマスカスの諸会堂あての手紙を求めた。このに属する者を見つけたなら,男も女も縛り上げて,エルサレムに引いて来るためであった。 9:3 旅をしてダマスカスに近づいた時,突然,天からの光が彼の周りを照らした。 9:4 彼は地に倒れ,「サウロ,サウロ,なぜわたしを迫害するのか」と自分に言う声を聞いた。

9:5 彼は言った,「よ,あなたはどなたですか」。

は言った,「わたしはイエス,あなたが迫害している者だ。* 9:6 だが,立ち上がって,町に入りなさい。そうすれば,あなたのなすべきことが告げられるだろう」

9:7 彼と一緒に旅をしていた人々は,何も言えずに立っていた。響きは聞こえたが,だれも見えなかったからである。 9:8 サウロは地面から起き上がったが,目を開いても何も見えなかった。人々は彼の手を引いてダマスカスに連れて行った。 9:9 彼は三日のあいだ目が見えず,食べることも飲むこともしなかった。

9:10 さて,ダマスカスにはアナニアという名の弟子がいた。は幻の中で彼に言った,「アナニアよ!」

彼は言った,「よ,わたしはここにいます」。

9:11 は彼に言った,「立って,『まっすぐ』と呼ばれる通りへ行き,ユダの家で,サウルという名のタルソスの人を探しなさい。見よ,彼は祈っており, 9:12 幻の中で,アナニアという名の人が入って来て,視力を取り戻させるため,自分の上に手を置くのを見たからだ」

9:13 しかしアナニアは答えた,「よ,わたしはこの男について,彼がエルサレムであなたの聖徒たちにどれほど悪いことをしたか,大勢の人から聞いています。 9:14 しかもここでは,あなたのみ名を呼び求める者をすべて縛り上げる権限を,祭司長たちから得ているのです」。

9:15 しかしは彼に言った,「行きなさい。彼は,諸国民や王たち,またイスラエルの子らの前でわたしの名を担う,わたしが選んだ器なのだ。 9:16 実に,彼がわたしの名のためにどれほど多くの苦しみを受けなければならないかを,わたしは彼に示そう」

9:17 アナニアは出かけて行って,その家に入った。彼の上に手を置いてこう言った。「兄弟サウロよ,道中であなたに現われたが,わたしを遣わされました。あなたが視力を取り戻し,聖霊で満たされるためです」。 9:18 すぐに,彼の両目からうろこのような物が落ち,彼は視力を取り戻した。彼は起き上がってバプテスマを受けた。 9:19 食事をとって元気づいた。サウロは数日の間,ダマスカスにいる弟子たちと共に過ごした。 9:20 すぐに諸会堂で,キリストのことを,これこそであると宣明した。 9:21 これを聞いた人々は皆びっくりして言った,「これは,エルサレムでこの名を呼び求める者たちを荒らしまわった者ではないか。そして,ここに来たのも,彼らを縛り上げて,祭司長たちの前に引いて行くためではなかったのか!」

9:22 しかし,サウロはますます力を増してゆき,イエスがキリストであることを論証して,ダマスカスに住んでいるユダヤ人たちをうろたえさせた。 9:23 かなりの日数が満ちた時,ユダヤ人たちは彼を殺そうと陰謀を企てたが, 9:24 彼らの陰謀はサウロの知るところとなった。彼らは彼を殺そうとして,昼も夜も門という門を見張っていた。 9:25 そこで,彼の弟子たちは夜の間に彼を連れ出し,かごに乗せて城壁づたいにつり降ろした。 9:26 サウロは,エルサレムに来ると,弟子たちに加わろうと努めたが,みんなは彼が弟子であると信じずに,恐れていた。 9:27 しかし,バルナバは彼を受け入れて,使徒たちのもとに連れて行き,彼が道中でを見た様子や,が彼に語りかけたこと,また,ダマスカスでイエスの名において大胆に宣教した様子を話して聞かせた。 9:28 彼は彼らと共にエルサレムに入り9:29 の名において大胆に宣教していた。彼はヘレニストたちと語り合い,議論をしたが,彼らは彼を殺したがっていた。 9:30 兄弟たちはそれを知って,彼をカエサレアに連れ下り,タルソスに送り出した。 9:31 こうして集まりは,ユダヤ,ガリラヤ,サマリアの全地にわたって平和を保ち,築き上げられていった。彼らは,への恐れと聖霊の慰めとのうちに歩みつつ,殖えていった。

9:32 ペトロは,あらゆる地方を巡っていた際,リュッダに住んでいる聖徒たちのところにも下って行った。 9:33 その場所でアイネアという名の人を見つけたが,体がまひしていたために八年間も寝たきりであった。 9:34 ペトロは彼に言った,「アイネアよ,イエス・キリストがあなたをいやされます。起きて,自分の寝床を整えなさい!」 すぐに彼は起き上がった。 9:35 リュッダとシャロンに住むすべての人たちは彼を見て,のもとに立ち返った。

9:36 さて,ヨッパにはタビタという名の弟子がいた。この名は,訳せば,ドルカスという意味である。この婦人は,多くの善い業やあわれみの行為を施していた。 9:37 そのころ,彼女は病気になって死んだ。人々は彼女を洗い,階上の部屋に横たえた。 9:38 リュッダはヨッパに近かったので,弟子たちは,ペトロがそこにいると聞いて,二人の者を彼のもとに遣わし,急いで自分たちのところに来てくれるよう嘆願した。 9:39 ペトロは立って,彼らと共に出かけた。そこに着くと,人々は彼を階上の部屋に連れて行った。やもめたちはみな彼のそばにやって来て,泣きながら,自分たちと共にいた間にドルカスが作った上着や外衣を見せた。 9:40 ペトロはみんなを外に出し,ひざまずいて祈った。遺体のほうに向き直って言った,「タビタ,起きなさい!」 彼女は目を開き,ペトロを見ると起き直った。 9:41 彼は手を貸して彼女を起き上がらせた。聖徒たちとやもめたちを呼んで,彼女が生きているのを見せた。 9:42 すると,このことはヨッパじゅうに知れ渡り,多くの者がを信じた。 9:43 彼はかなりの日数をヨッパで過ごし,シモンという革なめし職人のところにいた。

10:1 さて,カエサレアに,名をコルネリウスという人がいた。「イタリア連隊」と呼ばれる部隊の百人隊長であったが, 10:2 敬けんな人であり,家族全員でを恐れており,民に気前よく施しをし,いつもに祈っていた。 10:3 ある日の第九時ごろ,のみ使いが彼のもとに来て,「コルネリウス!」と言うのを,幻の中ではっきりと見た。

10:4 み使いをじっと見つめて,おびえながら言った,「よ,なにごとでしょうか」。

み使いは彼に言った,「あなたの数々の祈りや施しはのみ前に上って,記憶されている。 10:5 さあ,ヨッパに人々を遣わして,またの名をペトロというシモンを招きなさい。 10:6 彼は,海辺に家を持つ革なめし職人のシモンのところに宿泊している*」。

10:7 こう語ったみ使いが立ち去ると,コルネリウスは自分の家の召使い二人と,絶えず自分に仕えている者の中の敬けんな兵士ひとりを呼び, 10:8 すべてのことを説明して,彼らをヨッパに遣わした。 10:9 さて,翌日,彼らが旅を続けてその町に近づいたころ,ペトロは祈るために正午ごろ屋上に上った。 10:10 空腹になり,何か食べたいと思った。ところが,人々が準備している間に,我を忘れた状態に陥った。 10:11 天が開け,大きな布のような入れ物が四隅で地の上につり降ろされて,自分のところに下って来るのを目にした。 10:12 その中には,あらゆる種類の地上の四つ足の獣,野獣,は虫類,空の鳥などがいた。 10:13 彼に向かって声がした,「立ちなさい,ペトロよ,ほふって食べなさい!」

10:14 しかしペトロは言った,「よ,とんでもありません。下品なものや汚れたものなど,これまで一度も食べたことがないのです」。

10:15 彼に向かって二度目に声がした,が清くしたものを,汚れたものと呼んではならない」10:16 こうしたことが三度あってから,すぐにその器は天に迎え上げられた。 10:17 さて,自分が見た幻はいったい何を意味するのだろうかと,ペトロがひとりで途方に暮れていると,見よ,コルネリウスから遣わされた者たちが,シモンの家を探し当てて,門の前に立ち, 10:18 呼びかけて,またの名をペトロというシモンがここに宿泊しているかどうかを尋ねた。 10:19 ペトロが幻について熟考していると,が彼に言った,「見よ,三人の人々があなたを探しに来ている。 10:20 さあ,立って,下に降り,何も疑わずに彼らと共に行きなさい。わたしが彼らを遣わしたからだ」。

10:21 ペトロはその人々のところに降りて行って,こう言った。「さあ,わたしがあなた方の探している者です。どんなわけでやって来たのですか」。

10:22 彼らは言った,「百人隊長コルネリウスは,正しい人でを恐れ,ユダヤ民族のすべてに良い評判のある人ですが,自分の家にあなたを招き,言われることに耳を傾けるようにと,聖なるみ使いから指示を受けたのです」。 10:23 そこで彼は彼らを呼び入れて,泊まらせた。次の日,ペトロは立って,彼らと共に出かけて行き,ヨッパからの兄弟たち数人が彼に伴った。 10:24 その翌日,彼らはカエサレアに入った。コルネリウスは,親族や親しい友人たちを呼び寄せて,彼らを待っていた。 10:25 ペトロが入って来ると,コルネリウスは彼を出迎え,その足もとにひれ伏して,彼を拝んだ。 10:26 するとペトロは彼を引き起こして言った,「立ちなさい! わたしも人間です」。 10:27 彼と話しながら入って来て,大勢の人が集まっているのを見た。 10:28 彼らに言った,「ご存じのとおり,ユダヤ人が別の民族の人と一緒になったり,そのもとを訪問したりすることは許されていません。しかし,はわたしに,どんな人をも神聖でない者とか汚れている者などと呼んではならないことを示されました。 10:29 ですから,わたしは呼ばれたとき,何の不平も言わずにやって来たのです。そこで尋ねますが,あなた方はどんなわけでわたしを呼んだのですか」。

10:30 コルネリウスが言った,「四日前,わたしはこの時刻まで断食をして,第九時に家の中で祈っていました。すると,ご覧ください,輝く衣を着た人がわたしの前に立って, 10:31 こう言いました。『コルネリウス,あなたの祈りは聞き入れられ,あなたの施しは神のみ前で覚えられた。 10:32 だから,ヨッパに人を遣わして,またの名をペトロというシモンを呼び寄せなさい。彼は,海辺にある革なめし職人シモンの家に宿泊している。彼はやって来ると,あなたに語るだろう』。 10:33 そのようなわけで,すぐにあなたのもとに人を遣わしたのですが,よくおいでくださいました。それで今,わたしたちは皆,があなたにお命じになったすべてのことを聞こうとして,のみ前に出ているのです」。

10:34 ペトロは口を開いて言った,「わたしには本当によく分かります。がえこひいきをされることはなく, 10:35 どの民族でもを恐れて義を行なう人は,に受け入れられるのだということが。 10:36 がイエス・キリストによって―この方こそすべての者のです―平和の良いたよりを宣教して,イスラエルの子らにお送りになったみ言葉を, 10:37 あなた方は知っています。すなわち,ヨハネが宣教したバプテスマののちに,ガリラヤから始まってユダヤ全土に宣明された出来事です。 10:38 それは,ナザレのイエスのことで,がどのようにして聖霊と力をもって彼に油を注がれたかということです。彼は出かけて行って善いことを行ない,悪魔に虐げられていた人をすべていやされたのです。が共におられたからです。 10:39 わたしたちは,彼がユダヤ人の地域とエルサレムとで行なわれたすべての事柄の証人です。人々はまた,彼を木に掛けて殺しました。 10:40 は彼を三日目に生き返らせ,現わしてくださいました。 10:41 ただし,すべての民に対してではなく,前もってに選ばれていた証人たち,つまり,彼が死んだ者たちの中から起こされたのちに,一緒に飲み食いしたわたしたちに対してです。 10:42 彼はわたしたちに,民に宣教し,ご自分が生きている者たちと死んだ者たちとの裁き主としてから任命された者だということを証言するようにとお命じになりました。 10:43 すべての預言者たちも彼について,だれでも彼を信じる者はその名によって罪の許しを受けることになると証言しています」。

10:44 ペトロがまだこれらの言葉を語っている間に,み言葉を聞いたすべての人たちの上に聖霊が下った。 10:45 割礼を受けている信者で,ペトロと一緒に来ていた人たちは,聖霊の贈り物が異邦人たちの上にも注ぎ出されているのでびっくりした。 10:46 というのは,彼らが異なる言語で語り,をたたえているのを聞いたからである。

それでペトロは答えた。 10:47 「この人たちはわたしたちと同じように聖霊を受けたのですから,水を禁じてバプテスマを受けさせないことなど,いったいだれにできるでしょうか」。 10:48 彼らに命じて,イエス・キリストの名においてバプテスマを受けさせた。それから彼らは彼に頼んで,数日のあいだ滞在してもらった。

11:1 さて,使徒たちやユダヤにいる兄弟たちは,異邦人たちもの言葉を受け入れたことを耳にした。 11:2 ペトロがエルサレムに上って来たとき,割礼のある者たちは彼に議論を挑んで 11:3 言った,「あなたは,割礼を受けていない人々のところに入って,彼らと一緒に食事をした!」

11:4 しかしペトロは口を開き,次のように言って順序正しく説明した。 11:5 「わたしがヨッパの町で祈っていると,我を忘れた状態になって,幻を見ました。大きな布のような入れ物が,四隅で天からつり降ろされているようでした。ついに,わたしのところにまで下りて来ました。 11:6 目を凝らしてその中をよく見ると,地上の四つ足の獣,野獣,はうもの,空の鳥などがいました。 11:7 さらに声がして,わたしに言いました,『立ちなさい,ペトロよ,ほふって食べなさい!』  11:8 しかしわたしは言いました,『よ,とんでもありません。神聖でないものや汚れたものなど,これまで一度も口に入れたことがないのです』。 11:9 すると,天から二度目に声が出て,わたしに答えました,が清くしたものを,汚れたものと呼んではならない』11:10 こうしたことが三度あってから,すべてのものは再び天に引き上げられました。 11:11 ちょうどその時,カエサレアからわたしのところへ遣わされて来た三人の人々が,わたしのいた家の前に立ちました。 11:12 がわたしに,何も疑わずに彼らと共に行くように告げました。ここにいる六人の兄弟たちもわたしに付いて来て,わたしたちはその人の家に入りました。 11:13 その人はわたしたちに,み使いが家の中に立っているのを見たこと,また,そのみ使いがこう述べたことを話してくれました。『ヨッパに人を遣わして,またの名をペトロというシモンを招きなさい。 11:14 彼は,あなたとあなたの家族全員を救う言葉をあなたに語るだろう』。 11:15 わたしが話し始めると,聖霊が彼らの上に,最初にわたしたちの上に下ったのと同じようにして下ったのです。 11:16 わたしは,が言われたこの言葉を思い出しました。『ヨハネは確かに水でバプテスマを施したが,あなた方は聖霊によってバプテスマを施されることになる』11:17 それで,わたしたちがイエス・キリストを信じた時に下さったのと同じ贈り物を,が彼らにお与えになったのであれば,どうしてわたしのような者がに逆らうことができたでしょうか」。

11:18 これらのことを聞くと,彼らは静かになり,の栄光をたたえて言った,「それではは,命に至る悔い改めを異邦人たちにもお与えになったのだ!」

11:19 それゆえ,ステファノのことで起こった圧迫のために散らされた人々は,フェニキア,キュプロス,アンティオキアにまで旅をしたが,ユダヤ人以外にはだれにもみ言葉を語らなかった。 11:20 しかし,その中にキュプロスやキュレネの者たちがいて,アンティオキアへ行き,ギリシャ人たちに語って,イエスのことを宣教した。 11:21 のみ手が彼らと共にあったので,信じてに立ち返った者たちは非常に多数であった。 11:22 彼らに関する知らせがエルサレムにあった集会の耳に入った。集会はバルナバをアンティオキアにまで遣わした。 11:23 そこに到着しての恵みを見ると,彼は喜んだ。心の決意をもってのそばにとどまるようにと,みんなを励ました。 11:24 彼は善い人で,聖霊と信仰とに満ちていたからである。こうして,大勢の人々がのもとに加えられた。

11:25 バルナバはサウロを探しにタルソスに出かけて行った。 11:26 彼を見つけて,アンティオキアに連れて来た。二人はまる一年のあいだ集会と共に集まり,多くの人々を教えた。このアンティオキアで,弟子たちは初めてクリスチャンと呼ばれるようになった。

11:27 そのころ,預言者たちがエルサレムからアンティオキアに下って来た。 11:28 彼らの中のアガボスという者が立って,大ききんが全世界に臨もうとしていることをによって示したが,これは実際にクラウディウスの時代に起こった。 11:29 そこで弟子たちは,それぞれの豊かさに応じて,ユダヤに住んでいる兄弟たちに救援物資を送ることに決めた。 11:30 それを実行し,バルナバとサウロの手によって長老たちに送り届けた。

12:1 ちょうどそのころ,ヘロデ王は集会のある者たちを虐げることに手を伸ばし, 12:2 ヨハネの兄弟ヤコブを剣で殺した。 12:3 それがユダヤ人たちの意にかなったのを見て,ペトロをも捕らえようとした。それは種なしパンの時期であった。 12:4 彼を逮捕して,ろうやに入れ,四人一組の兵士四組に引き渡して監視させた。過ぎ越しの後で民の前に引き出すつもりであったのである。 12:5 それで,ペトロはろうやに入れられており,彼のために集会によって休みなくに祈りがささげられていた。 12:6 ヘロデが彼を引き出そうとしていた前夜,ペトロは二本の鎖につながれて, 二人の兵士の間で眠っていた。番兵たちは戸口の前でろうやを見張っていた。

12:7 すると見よ,のみ使いが彼のそばに立ち,光が独房内を照らした。み使いはペトロのわき腹をたたいて起こし,「急いで立ち上がりなさい!」と言った。鎖が彼の両手から落ちた。 12:8 み使いは彼に言った,「服を着て,サンダルをはきなさい」。彼はそのとおりにした。み使いは彼に言った,「外衣を着て,わたしに付いて来なさい」。 12:9 そこで彼はその後に付いて行った。彼はみ使いによってなされていることが現実のこととは分からず,幻を見ているものと思っていた。 12:10 第一と第二の衛兵所を過ぎ,町に通じる鉄の門のところに来ると,彼らのために門がひとりでに開いた。外に出て,一つの通りを進むと,すぐにみ使いは彼から離れた。

12:11 ペトロは我に返って言った,「今,確かに分かる。はみ使いを遣わして,ヘロデの手から,またユダヤの民のあらゆるもくろみから,わたしを救い出してくださったのだ」。 12:12 そう判断すると,またの名をマルコというヨハネの母マリアの家に行った。そこでは,大勢の人が集まって,祈っていた。 12:13 門の戸をたたくと,ロダという名の女中が応対に出た。 12:14 ペトロの声だと分かると,彼女は喜びのあまり,門を開けもせずに中に駆け込み,ペトロが門の前に立っていると報告した。

12:15 人々は彼女に言った,「あなたは気が狂っている!」 しかし彼女は本当だと言い張った。彼らは言った,「それは彼のみ使いだ」。 12:16 しかしペトロはたたき続けていた。彼らが開けてみると,ペトロがいたので,びっくりした。 12:17 しかし彼は,彼らを手で制して静かにさせ,が彼をろうやから連れ出してくれた次第を話して聞かせた。彼は言った,「これらの事をヤコブと兄弟たちに知らせなさい」。それから立ち去って,ほかの所に出て行った。

12:18 さて,夜が明けると,いったいペトロはどうなったのかと,兵士たちの間で少なからぬ騒ぎが起こった。 12:19 ヘロデは,彼を探しても見つからないので,番兵たちを取り調べ,彼らを死に渡すように命じた。ユダヤからカエサレアに下って行き,そこに滞在した。 12:20 さて,ヘロデはテュロスとシドンの民にひどく腹を立てていた。彼らはそろって彼のところに来て,王の侍従官ブラスタスに取り入って,和解を求めた。彼らの地方は王の国から食糧を得ていたからである。 12:21 定められた日に,ヘロデは王衣をまとって王座に着き,彼らに向かって演説をした。 12:22 民は叫んで言った,「神の声だ,人間の声ではない!」  12:23 すぐにのみ使いが彼を打った。に栄光を帰さなかったからである。彼はうじに食われて死んだ。

12:24 一方,の言葉は増し広がっていった。 12:25 バルナバとサウロは,奉仕の務めを果たしたのち,またの名をマルコというヨハネを連れて,エルサレム帰って来た。

13:1 さて,アンティオキアにある集会には,幾人かの預言者や教師がいた。すなわち,バルナバ,ニゲルと呼ばれるシメオン,キュレネのルキウス,領主ヘロデの乳兄弟マナエン,そしてサウロである。 13:2 彼らがに仕えて断食をしていると,聖霊が言った,「バルナバとサウロを,わたしのため,わたしが彼らを召した目的である業のために取り分けなさい」。

13:3 そこで,彼らは断食して祈り,手を二人の上に置いてから,出発させた。 13:4 こうして,二人は聖霊によって送り出され,セレウキアに下って行った。そこからキュプロスに向けて出帆した。 13:5 サラミスに着くと,ユダヤ人の諸会堂での言葉を宣明した。彼らは助手としてヨハネも連れていた。 13:6 島じゅうを巡回してパフォスまで行くと,ある魔術師を見つけた。ユダヤ人の偽預言者で,バル・イエスという名で, 13:7 セルギウス・パウルスという物わかりの良い地方総督のもとにいた。地方総督はバルナバとサウロを呼んで,の言葉を聞こうとした。 13:8 ところが,そのエリマという魔術師(彼の名はこのように訳される)は彼らに抵抗し,地方総督をこの信仰から遠ざけようとした。 13:9 しかし,パウロとも呼ばれていたサウロは,聖霊に満たされ,彼をじっと見つめて 13:10 言った,「ああ,あらゆる欺きと悪賢さに満ちた者,悪魔の子,あらゆる正義の敵よ。あなたはの正しい道をゆがめることをやめないのか。 13:11 それなら,見よ,のみ手があなたの上にある。あなたは目が見えなくなり,時が来るまで日の光を見ないだろう!」

すぐに,かすみと闇とがその上に臨み,彼は手を引いてくれる人を探しまわった。 13:12 そこで,地方総督は起きた事柄を見て,の教えに驚き,信者になった。

13:13 さて,パウロとその道連れはパフォスから出航し,パンフィリアのペルガに来た。ヨハネは彼らから離れてエルサレムに帰ってしまった。 13:14 しかし彼らはペルガから進んで行き,ピシディアのアンティオキアに来た。安息日に会堂に入って席に着いた。 13:15 律法と預言者たちの朗読の後で,会堂長たちが彼らのもとに人を遣わして言った,「兄弟たち,民のために何か勧告の言葉がありましたら,話してください」。

13:16 パウロは立ち上がり,手で合図をして言った,「イスラエルの人たち,ならびにを恐れる皆さん,聞いてください。 13:17 この民*は,わたしたちの父祖たちを選び出し,エジプトの地で異国人として滞在していた間にこの民を高め,高く上げたみ腕をもって彼らをそこから導き出されました。 13:18 およそ四十年の期間にわたって荒野で彼らを養われました。 13:19 カナンの地で七つの民族を滅ぼし,その地を相続財産として彼らに与えられました。これが,およそ四百五十年間にわたりました。 13:20 こうした事ののち,預言者サムエルの時代まで彼らに裁き人を与えられました。 13:21 のちに彼らが王を求めたので,は四十年のあいだ,ベニヤミン族の人,キシュの子サウルを彼らに与えられました。 13:22 彼を退けてから,ダビデを立てて彼らの王とし,彼についてこうも証言されました,『わたしはエッサイの子ダビデ,わたしの心にかなう者を見いだした。彼はわたしの望むことをみな行なうだろう』。 13:23 この人の子孫から,は約束に従って,イスラエルに救いをもたらされたのです。 13:24 その方が来られる前に,まずヨハネがイスラエルに悔い改めのバプテスマを宣教しました。 13:25 自分の走路を終えようとするとき,ヨハネは言いました,『あなた方はわたしが何者だと思っているのか。わたしはその者ではない。だが,見よ,その方はわたしの後に来られるが,わたしはその方の足のサンダルのひもをほどくにも値しない』。 13:26 兄弟たち,アブラハムの血統の子らである皆さん,そしてあなた方の中でを恐れる方たち,この救いの言葉はあなた方に送られたのです。 13:27 エルサレムに住む人たちやその支配者たちは,彼のことを知らず,また安息日ごとに朗読される預言者たちの言葉も知らずに,彼を罪に定めることによってそれらの言葉を実現させました。 13:28 死に値する理由を何も見いだせなかったのに,ピラトに願って彼を殺させたのです。 13:29 彼について書かれている事柄をすべて実現させてから,彼を木から取り下ろして墓の中に横たえました。 13:30 しかし,は彼を死んだ者たちの中から起こされました。 13:31 彼は幾日にもわたって,彼と共にガリラヤからエルサレムに上って来た人たちに現われました。彼らは民に対して彼の証人になっています。 13:32 わたしたちは,父祖たちになされた約束についての良いたよりをあなた方に伝えています。 13:33 すなわち,はイエスを生き返らせて,わたしたち子孫に対してその約束を果たしてくださったのです。詩編の第二編にも,こう書かれているとおりです。

『あなたはわたしの
       わたしは今日あなたの父となった』。

13:34 「彼を死んだ者たちの中から起こされ,もう二度と腐敗することのない者とされたことについては,こう言っておられます。『わたしは,ダビデに約束した確かな祝福をあなた方に与えるだろう』。 13:35 ですから,詩編のほかの箇所でもこう言われています。『あなたは,あなたの聖なる者が腐敗を見ることをお許しにならない』。 13:36 実際,ダビデは,自分の世代のうちでのお考えに従って仕えた後,眠りに落ち,自分の父祖たちと共に横たえられ,腐敗を見ました。 13:37 しかし,が生き返らせたこの方は,腐敗を見ることがなかったのです。 13:38 ですから,兄弟たち,このことを知ってください。この方による罪の許しがあなた方に宣明されており, 13:39 モーセの律法によっては義とされることのなかったあらゆることについても,信じる者はこの方によって義とされるのです。 13:40 ですから,預言者たちの中で語られているこのことがあなた方に臨まないよう用心していなさい。

13:41 『見よ,あざける者たちよ,驚け,滅び去れ。
       わたしはあなた方の時代に一つの業をなす。
       だれかが詳しく説明しても,あなた方が決して信じることのない業を』」。

13:42 そこで,ユダヤ人たちが会堂を出て行くと,異邦人たちは次の安息日にもこうした話をして欲しいと懇願した。 13:43 そして,会堂が解散してから,大勢のユダヤ人たちと敬けんな改宗者たちがパウロとバルナバに従った。二人は彼らと語り合い,の恵みのうちにとどまっているようにと勧めた。 13:44 次の安息日には,ほとんど町全体がの言葉を聞くために集まった。 13:45 しかし,ユダヤ人たちはこの群衆を見てねたみに満たされ,パウロが語った事柄に反対して,ののしった。

13:46 パウロとバルナバは大胆に語って,こう言った。「の言葉はまずあなた方に対して語られることが必要でした。ところが,あなた方はそれを自分たちから押しのけ,自分自身を永遠の命に値しない者としているのですから,見なさい,わたしたちは異邦人たちのほうに向きを転じます。 13:47 はわたしたちにこう命じられたからです。

『わたしはあなたを異邦人たちのための光とした。
       あなたが地の最も遠い所に至るまでも救いをもたらすためだ』」。

13:48 異邦人たちはこれを聞いて喜び,の言葉の栄光をたたえた。永遠の命のために定められていた者たちはみな信者になった。 13:49 の言葉はこの地方全体に広まって行った。 13:50 ところが,ユダヤ人たちは敬けんで有力な婦人たちや町の主立った人たちを扇動して,パウロとバルナバに対する迫害を起こし,二人を自分たちの地方から追い出した。 13:51 一方,二人は彼らに対して足のちりを払い落とし,イコニオムに行った。 13:52 弟子たちは喜びと聖霊とに満たされていた。

14:1 イコニオムで,二人は共にユダヤ人の会堂に入って話をしたので,ユダヤ人とギリシャ人の大群衆が信者になった。 14:2 ところが,信じようとしないユダヤ人たちは,異邦人たちの魂を扇動し,兄弟たちに対して悪意を抱かせた。 14:3 それゆえ,二人は長い間そこに滞在し,にあって大胆に語った。は二人の手によってしるしと不思議な業とを行なわせ,その恵みの言葉を証明した。 14:4 しかし,町の群衆は分裂した。ある者はユダヤ人の側に,別の者は使徒たちの側に付いた。 14:5 異邦人たちとユダヤ人たちのある者たちが,彼らの支配者たちと一緒になって,二人を虐げて石打ちにしようという乱暴な企てを起こしたとき, 14:6 それに気づいた二人は,リュカオニア,リュストラ,デルベ,およびその周囲の地域に逃れた。 14:7 そこでも福音を宣教した。

14:8 リュストラに,足が虚弱な人が座っていた。母の胎を出たときから足が不自由で,一度も歩いたことのなかった。 14:9 彼がパウロの話に耳を傾けていると,パウロは彼をじっと見つめて,彼に十分な信仰があるのを見て, 14:10 大声で言った,「自分の足でまっすぐ立ちなさい!」 彼は躍り上がって歩き始めた。 14:11 群衆はパウロの行なったことを見て,声を張り上げ,リュカオニアの言語で言った,「神々が人間の姿になって我々のところへ下って来たのだ!」  14:12 彼らはバルナバを「ユピテル」,パウロを「メルクリウス」と呼んだ。パウロが主な話し手だったからである。 14:13 町の前にあるユピテルの神殿の祭司が,数頭の雄牛と幾つかの花輪を持って来て,群衆と一緒になって犠牲をささげようとした。 14:14 しかし,使徒たち,すなわちバルナバとパウロは,このことを聞くと,衣を引き裂いて群衆の中に飛び込んで行き,叫んで言った, 14:15 「皆さん,どうしてこんなことをするのですか。わたしたちもあなた方と同じ感情を持つ人間です。そして,あなた方がこうした無駄な事柄を離れて,生けるに立ち返るようにと,あなた方に良いたよりをもたらしているのです。この方こそ,天と地と海,そしてその中にあるすべてのものを造られたのです。 14:16 は,過ぎ去った世代においては,あらゆる民族が自分の道を歩むのを許されました。 14:17 しかし,ご自身についての証言がないままにしておかれたわけではありません。善いことを行なって,あなた方に天からの雨と実りの季節とを与え,食べ物と喜びとをもってわたしたちの心を満たしてくださったのです」。

14:18 このように言って,二人は群衆が自分たちに犠牲をささげるのをやっとのことでやめさせた。 14:19 ところが,アンティオキアとイコニオムから幾人かのユダヤ人がやって来て,群衆を説得して,パウロを石打ちにし,彼を死んだものと思って町の外に引きずり出した。

14:20 しかし,弟子たちが彼を取り囲むと,彼は立ち上がり,町の中に入った。次の日,彼はバルナバと共にデルベに向けて出発した。 14:21 この町で福音を宣教し,多くの弟子を作ってから,二人はリュストラ,イコニオム,さらにアンティオキアへと引き返し, 14:22 弟子たちの魂を強め,信仰のうちにとどまるように,また,わたしたちは多くの苦しみを経て王国に入らなければならないと勧告した。 14:23 彼らのために集会ごとに長老たちを任命し,断食をもって祈り,彼らをその信じているにゆだねた。

14:24 ピシディアを通って,パンフィリアにやって来た。 14:25 ペルガでみ言葉を語ってから,アタリアに下って行った。 14:26 そこからアンティオキアに出航した。そこは二人が,今や成し遂げた業のために,の恵みにゆだねられて送り出された所である。 14:27 到着して集会の人々を集めると,二人はが自分たちに行なったすべてのことと,異邦人たちに信仰の戸口を開いたことを報告した。 14:28 長い間にわたって弟子たちと共に過ごした。

15:1 ある人たちがユダヤから下って来て,兄弟たちにこう教えていた。「モーセの慣習に従って割礼を受けない限り,あなた方は救われない」。 15:2 それで,パウロやバルナバと彼らとの間に少なからぬ不和と議論が生じたので,人々は,パウロとバルナバ,および自分たちのうちのほかの幾人かがエルサレムに上り,この議論のことで使徒たちや長老たちを訪ねることを決めた。 15:3 彼らは集会によって送り出され,フェニキアとサマリアを通り抜け,異邦人たちの改宗の次第を詳しく説明して,すべての兄弟たちを大いに喜ばせた。 15:4 エルサレムに着くと,集会と使徒たちと長老たちから迎えられ,が自分たちと共に行なった事柄すべてを報告した。

15:5 ところが,信者となっていた幾人かのファリサイ派の者たちが立ち上がって,こう言った。「彼らに割礼を施して,モーセの律法を守るようにと命じることが必要です」。

15:6 使徒たちや長老たちは,この問題について調べるために集まった。 15:7 多くの議論があったのち,ペトロが立ち上がって彼らに言った,「兄弟たち,ご存じのとおり,ずっと以前に,はあなた方の間からわたしを選ばれ,異邦人たちがわたしの口から福音の言葉を聞いて信じるようにされました。 15:8 心を知っておられるは,わたしたちにされたのと同じようにして彼らに聖霊をお与えになり,彼らについて証言されたのです。 15:9 は,わたしたちと彼らとの間に区別を設けずに,彼らの心を信仰によって清められました。 15:10 それなのに,どうして今,わたしたちの父祖たちもわたしたちも負うことのできなかったくびきをあの弟子たちの首にかけて,を試みるのですか。 15:11 それどころか,わたしたちは,彼らと同じく主イエス*の恵みによって救われることを信じているのです」。

15:12 群衆はみな静かになった。そして,バルナバとパウロが,彼らを通して異邦人たちの間で行なったしるしや不思議な業について報告するのに耳を傾けた。 15:13 二人が話し終えると,ヤコブが答えた,「兄弟たち,わたしの言うことを聞いてください。 15:14 シメオンは,が最初に異邦人たちを気にかけて,その中からご自分のみ名のために民を取り出された次第を話してくれました。 15:15 これは預言者たちの言葉と一致しています。こう書かれているとおりです。

15:16 『これらの事ののち,わたしは戻って来て,
       ダビデの倒れた幕屋を建て直し,
       その廃虚を建て直すだろう。

それを元どおりにするだろう。
       15:17 残っている者たち,
       わたしの名によって呼ばれるすべての異邦人たちが
       を探し求めるようになるために。

これらのすべての事を行なわれるが言われる。
       15:18 にとってそのすべての業は遠い昔から知らされているのである』。

15:19 「それで,わたしの意見はこうです。すなわち,わたしたちは,異邦人たちの中からに立ち返った人たちを悩ませることはせず, 15:20 ただ,偶像に汚されたものと,いん行と,絞め殺されたものと,血を避けるようにと,彼らに書き送るのがよいでしょう。 15:21 モーセについては,昔からどの町にも宣教する者たちがおり,安息日ごとに諸会堂で朗読されているからです」。

15:22 そこで,使徒たちと長老たちは,集会全体と共に,自分たちの中から人を選んで,パウロやバルナバと一緒にアンティオキアに遣わすのがよいと考えた。すなわち,バルサバスと呼ばれるユダとシラスで,兄弟たちの間で主立った人たちであった。 15:23 彼らは次のように書いてこの人たちの手に託した。

「使徒たち,長老たち,および兄弟たちから,アンティオキア,シリア,キリキアにいる異邦人の兄弟たちへ。あいさつを送ります。 15:24 わたしたちの中から行ったある者たちが,いろいろな言葉によってあなた方を悩ませ,わたしたちが命じてもいないのに,「あなた方は割礼を受けて,律法を守らなければならない」と言って,あなた方の魂を乱したことを聞きましたので, 15:25 わたしたちは満場一致で,人を選んで,わたしたちの愛するバルナバやパウロと共に,あなた方のもとに遣わすのがよいと考えました。 15:26 この二人は,わたしたちのイエス・キリストのみ名のために,自分の命をかけている者たちです。 15:27 それで,わたしたちはユダとシラスを遣わしますが,この二人も同じことを口頭であなた方に告げるでしょう。 15:28 というのは,聖霊とわたしたちとは,次の必要な事柄のほかには,あなた方にいかなる重荷も負わせないのがよいと考えたからです。 15:29 すなわち,偶像に汚されたものと,血と,絞め殺されたものと,いん行を避けることです。これらのものから身を守っていればよいのです。ご健勝で」。

15:30 こうして,彼らは送り出されて,アンティオキアに着いた。集団を集めて,手紙を手渡した。 15:31 これを読むと,人々はその励ましに喜んだ。 15:32 ユダとシラスは,彼ら自身も預言者であったので,多くの言葉をもって兄弟たちを励まし,元気づけた。 15:33 しばらくの間そこで過ごしてから,兄弟たちからのあいさつを携えて再び使徒たちのもとに送り出された。 15:34 * 15:35 しかし,パウロとバルナバはアンティオキアにとどまり,他の多くの人たちと共に,の言葉を教え,宣教していた。

15:36 数日後,パウロはバルナバに言った,「さあ,もう一度行って,わたしたちがの言葉を宣明したすべての町にいるわたしたちの兄弟たちを訪ね,彼らがどうしているかを見て来ようではないか」。 15:37 バルナバは,マルコと呼ばれるヨハネを一緒に連れて行くつもりであった。 15:38 しかしパウロは,パンフィリアで自分たちから離れ,同行して業を行なわなかったような者は,一緒に連れて行かないほうがよいと考えた。 15:39 それで,激しい口論が起こり,彼らは互いに別れることになった。バルナバはマルコを連れ,キュプロスへ出航した。 15:40 一方,パウロはシラスを選び,兄弟たちからの恵みにゆだねられて出発した。 15:41 シリアとキリキアを通り抜けながら,各地の集会を強めた。

16:1 彼はデルベとリュストラにやって来た。すると見よ,テモテという名の弟子がいた。信者であるユダヤ婦人の息子で,その父はギリシャ人であった。 16:2 リュストラとイコニオムにいた兄弟たちは,彼について良い証言をしていた。 16:3 パウロは彼を一緒に連れて行きたいと思ったので,その地帯にいるユダヤ人たちのために,彼を連れて来て割礼を施した。彼の父がギリシャ人であることを,みんなが知っていたからである。 16:4 彼らは町々を通って行きながら,エルサレムにいる使徒たちや長老たちが定めた規定を守るようにと,人々に伝えた。 16:5 こうして,各地の集会は信仰において元気づけられ,日ごとに数を増して行った。

16:6 彼らがフリュギアとガラテアの地方を通って行くと,アシアでみ言葉を語ることを聖霊によって禁じられた。 16:7 ミュシアに面した所まで来て,ビティニアに入ろうとしたが,がそれを許さなかった。 16:8 ミュシアを通り過ぎて,トロアスに下って行った。 16:9 その夜,一つの幻がパウロに現われた。その中で,あるマケドニアの人が立って,彼に懇願してこう言った。「マケドニアに渡って来て,わたしたちを助けてください」。 16:10 彼がその幻を見たとき,わたしたちはすぐにマケドニアに出かけることにした。彼らに福音を宣教するために,がわたしたちを招いておられるのだと結論したからである。 16:11 それで,わたしたちはトロアスから出航してサモトラケに直行し,翌日ネアポリスに着いた。 16:12 そしてそこからフィリピに行った。そこはマケドニア第一地区の町で,ローマの植民都市である。わたしたちはその町で幾日か滞在した。

16:13 安息日に町から出て川岸に行った。そこに祈りの場所があると思ったからである。腰を下ろして,集まって来た女たちと話をした。 16:14 紫布を売るテュアティラ出身の人で,神の崇拝者であるリュディアという名の女が,わたしたちの言葉を聞いていたが,は彼女の心を開き,パウロが語る事柄に聞き従うようにさせた。 16:15 彼女とその家の者たちがバプテスマを受けたとき,彼女はわたしたちに懇願して言った。「もし皆さんが,わたしをに忠実な者とお思いでしたら,わたしの家に入ってお泊まりください」。このようにして,わたしたちに頼み込んで承知させた。

16:16 わたしたちが祈り場に行く途中,占いの霊に取り付かれている女中がわたしたちに出会った。彼女は運勢を告げて,その主人たちに多くの利得をもたらしていた。 16:17 パウロとわたしたちの後に付いて来て,叫んで言った,「この人たちは,いと高き神の召使いたちで,わたしたちに救いの道を宣明しているのです!」  16:18 彼女は何日もの間このことを続けた。

しかしパウロは,非常にいら立つようになり,振り向いてその霊に言った,「イエス・キリストの名においてあなたに命じる。彼女から出て行け!」 それは即座に出て行った。 16:19 ところが,彼女の主人たちは,自分たちの利得の見込みがなくなってしまったのを見て,パウロとシラスを捕まえ,市場で支配者たちの前に引いて行った。 16:20 政務官たちのところに引き出して,こう言った。「この者たちはユダヤ人で,わたしたちの町をかき乱しています。 16:21 わたしたちローマ人が受け入れることも,守り行なうことも許されない慣習を宣伝しています」。

16:22 群衆も一緒になって彼らに対して立ち上がったので,政務官たちは彼らの衣をはぎ取って,彼らをむちで打つようにと命じた。 16:23 何度もむち打たせてから,彼らをろうやに投げ入れ,看守にしっかり見張るようにと命じた。 16:24 このような命令を受けたので,彼は彼らを奥のろうやに投げ入れ,彼らの足を足かせ台につないだ。

16:25 しかし,真夜中ごろ,パウロとシラスは祈ったり,に賛美の歌を歌ったりしていた。そして,囚人たちもそれに耳を傾けていた。 16:26 突然,大きな地震が起こり,ろうやの土台が揺れ動いた。そして,すぐにすべての扉が開き,全員のくさりが解けた。 16:27 看守は眠りから覚め,ろうやの扉が開いているのを見ると,囚人たちが逃げてしまったものと思い,剣を抜いて自殺しようとした。 16:28 しかしパウロは大声で叫んで言った,「自害してはいけない。わたしたちは皆ここにいる!」

16:29 彼は明かりを持って来させて中に駆け込み,おののきながらパウロとシラスの前にひれ伏した。 16:30 そして,二人を外に連れ出して言った,「皆さん,救われるためにわたしは何をしなければなりませんか」。

16:31 二人は言った,「イエス・キリストを信じなさい。そうすればあなたも,あなたの家の者たちも救われます」。 16:32 彼と,彼の家にいたすべての者に,の言葉を語った。

16:33 彼は,夜のその時刻に二人を連れ出し,その打ち傷を洗った。そして,彼とその家の者たちは,すぐにバプテスマを受けた。 16:34 彼は二人を家に上がらせ,その前に食事を備えて,家の者たちと共に,を信じるようになったことを大いに喜んだ。

16:35 さて,朝になると,政務官たちは守衛兵たちを遣わし,「あの者たちを釈放せよ」と言わせた。

16:36 看守はこの言葉をパウロに伝えて言った,「政務官たちはあなた方を釈放するようにと人をよこしました。どうぞ,出て来て,安心してお出かけください」。

16:37 しかしパウロは彼らに言った,「彼らは,ローマ人であるわたしたちを,裁判にもかけずに公然と打ちたたき,ろうやに投げ込んだのだ! 今になって,ひそかにわたしたちを釈放するのか。それは実によくない。自分たちでここに出向いて,わたしたちを連れ出すべきだ!」

16:38 守衛兵たちはこの言葉を政務官たちに報告した。すると政務官たちは,彼らがローマ人だと聞いて恐れ, 16:39 やって来て彼らに懇願した。彼らを連れ出してから,町から立ち去ってくれるようにと頼んだ。 16:40 二人はろうやを出て,リュディアの家に行った。兄弟たちに会うと,彼らを励ましてから出発した。

17:1 さて,二人はアンフィポリスとアポロニアを通り抜けて,テサロニケにやって来た。ここにはユダヤ人の会堂があった。 17:2 パウロはいつもの習慣どおり彼らのもとに入って行き,三度の安息日にわたって彼らと聖書から論じ合い, 17:3 キリストが苦しみを受け,死んだ者たちの中から生き返らなければならなかったことを説明したり論証したりし,「わたしがあなた方に宣明しているこのイエスこそ,キリストです」と言っていた。

17:4 彼らのうちの幾人かは納得し,パウロとシラスに加わった。その中には,非常に大勢の敬けんなギリシャ人たちや,かなりの数の主立った婦人たちもいた。 17:5 ところが,信じなかったユダヤ人たちは,市場から数人のならず者を連れて来て*,群衆を集め,町に騒ぎを起こした。ヤソンの家を襲撃し,民の前に連れ出そうとして二人を探した。 17:6 二人が見つからなかったので,ヤソンと数人の兄弟たちを町の支配者たちの前に引いて行き,叫んで言った,「世界中を騒がせた例の者たちがここにも来ていますが, 17:7 ヤソンが彼らを迎え入れました。この者たちは皆,カエサルの布告に背いて行動し,イエスという別の王がいると言っているのです!」  17:8 これを聞いて,群衆や町の支配者たちは動揺した。 17:9 ヤソンとほかの者たちから保証金を取ってから,彼らを釈放した。 17:10 兄弟たちはすぐにパウロとシラスを夜のうちにベレアに送り出した。そこに到着すると,二人はユダヤ人の会堂に入った。

17:11 さて,ここの人たちはテサロニケの人たちよりも高潔で,み言葉を意欲的に受け入れ,それがそのとおりかを知ろうとして,毎日聖書を調べていた。 17:12 それゆえ,彼らのうちの多くの者が信者になった。その中には,ギリシャ人の有力な婦人たちや,かなりの数の男たちもいた。 17:13 ところが,テサロニケのユダヤ人たちは,ベレアでもパウロによっての言葉が宣明されていると知ると,そこにも押しかけて来て,群衆を扇動した。 17:14 そこで,兄弟たちはすぐにパウロを送り出して,海辺まで行かせた。しかし,シラスとテモテはなおもそこにとどまった。 17:15 一方,パウロに付き添った人々は,彼をアテネまで連れて行った。できるだけ早く来るようにというシラスとテモテへの指示を託されて,去って行った。

17:16 さて,パウロがアテネで彼らを待っている間,町が偶像でいっぱいなのを見て,その霊は彼の内で怒りに燃えた。 17:17 そこで,会堂ではユダヤ人たちや敬けんな人々と,市場では日々そこで出会う人たちと共に論じ合った。 17:18 エピクロス派やストア派の哲学者たちの幾人かと語り合った。ある者たちは言った,「このおしゃべりは何を言いたいのだろうか」。

ほかの者たちは言った,「異国の神々を宣伝しているらしい」。彼がイエスと復活について宣教していたからである。

17:19 人々は彼を捕まえてアレオパゴスに連れて行き,こう言った。「あなたの語っているその新しい教えがどういうものか,わたしたちに分からせてもらえないか。 17:20 あなたは何か珍しいことをわたしたちの耳に入れているからだ。だからそれがどんな意味なのか知りたいのだ」。 17:21 ところで,アテネ人やそこに住む居留人は皆,何か新しいことを話したり聞いたりすることばかりに時間を費やしていたのである。

17:22 パウロはアレオパゴスの真ん中に立って,こう言った。「アテネの皆さん。あなた方はあらゆることにおいて非常に信心深いということがわたしには分かります。 17:23 というのは,歩きながら,あなた方の崇拝の対象物をいろいろと見ていたところ,『知られていない神に』という銘のある祭壇さえも見つけたからです。ですから,あなた方が知らずに崇拝しているもの,それをあなた方に知らせます。 17:24 世界とその中のすべてのものをお造りになったは,天地のなのですから,手によって造られた神殿には住まわれません。 17:25 また,何かに不自由しているかのように,人間の手によって仕えてもらうこともありません。ご自身がすべての人に,命と息とすべての物を与えておられるからです。 17:26 は,一人の人からあらゆる民族の人々を造って,地の全面に住まわせ,決まった季節と,その居住地の境界を定められました。 17:27 これは,もしも人々が手を差し伸べてご自分を見いだすなら,彼らがを求めるようになるためなのです。もっとも,はわたしたちひとりひとりから遠く離れておられるわけではありません。 17:28 『我々はそのうちに生き,動き,存在しているのだから』。あなた方の詩人たちのある者たちもこう言っている通りです。『我々もその子孫なのだから』。 17:29 それで,わたしたちはの子孫なのですから,神たる者を,人間の技術や着想によって刻み込まれた金や銀や石のようなものと考えるべきではありません。 17:30 は無知の時代をそれゆえに見過ごしてこられました。しかし今や,どこにいる人でも皆悔い改めるよう命じておられます。 17:31 ご自分が任命した人によって,この世を義をもって裁くために日をお定めになり,彼を死んだ者たちの中から起こすことによって,すべての人に保証をお与えになったからです」。

17:32 さて,死者の復活について聞くと,ある者たちはあざけったが,ほかの者たちは,「そのことについてはまた聞きたい」と言った。

17:33 こうして,パウロは彼らの中から出て行った。 17:34 しかし,幾人かの者たちは彼に加わり,信者になった。その中には,アレオパギトであるディオニュシオス,またダマリスという名の女やほかの者たちもいた。

18:1 こうした事ののち,パウロはアテネを去ってコリントに行った。 18:2 アクラという名のポントス生まれのユダヤ人と,その妻プリスキラとに出会った。クラウディウスがすべてのユダヤ人にローマから退去するようにと命じたために,最近イタリアから来ていたのである。彼は二人のもとに行き, 18:3 職業が同じだったので,一緒に住み込んで仕事をした。彼らの職業は天幕造りだったのである。 18:4 彼は安息日ごとに会堂で論じ合い,ユダヤ人やギリシャ人を説得していた。 18:5 しかし,シラスとテモテがマケドニアから下って来ると,パウロはによって駆り立てられ,イエスがキリストだということをユダヤ人たちに証言した。 18:6 彼らが彼に反対して冒とくしたので,彼は自分の衣を振り払って彼らに言った,「あなた方の血は,あなた方自身の頭に降りかかれ! わたしは潔白だ。今からは異邦人たちのもとへ行く!」

18:7 彼はそこを去り,神の崇拝者であるユストゥスという名の人の家に入った。彼の家は会堂の隣にあった。 18:8 会堂長のクリスポスは,その全家と共にを信じた。大勢のコリント人たちも,話を聞くと,信じてバプテスマを受けた。 18:9 ある夜,が幻によってパウロに言った,「恐れることなく語りなさい。黙っていてはいけない。 18:10 というのは,わたしはあなたと共におり,だれもあなたを襲って傷つけることはないからだ。この町にはわたしの民が大勢いるのだ」

18:11 彼は一年六か月の間そこに住み,人々の間での言葉を教え続けた。 18:12 ところが,ガリオがアカイアの地方総督であったとき,ユダヤ人たちはパウロに対していっせいに立ち上がり,彼を裁きの座に引き出して 18:13